2013年4月7日星期日

舞台は1983年の東ドイツ。「放課後ライトノベル」第45回は,“オルタの18年前”を描いたマブラヴスピンオ

。 ●人類すべての敵を前に,人は手を取り合えるのか  もっともBETAとの激戦や戦場の描写は,この物語を構成する要素の半分でしかない。もう半分を占めるのが,人類の存亡を賭けた戦いという難局に置かれてなお,一致団結できない人の醜さだ。  舞台となる枼丧ぅ膜扦希冶0簿郑ē伐濂咯`ジ)なる秘密警察が権力を強めており,国民の間に幅広い監視網を敷き,徹底した言論統制を行っている。彼らのターゲットは,国家に仇なす可能性のあるものすべて。国内の反乱分子や,政治的に対立する隣国西ドイツからのスパイはもちろん,その監視の目は,ro rmt,国民を守るために決死の覚悟で戦っている軍にまで及んでいる。当然,軍との関係はよくない。  枼丧ぅ膜任鳐丧ぅ模姢裙冶0簿帧祟悿尉t力を結集しなければ,人類そのものが滅びてしまうかもしれないという苦境にあって,それでも人同士の対立の芽はなくならない。「BETAに,枻馕鳏忾v係ありません。だったら,ふたつのドイツが,一緒に戦ったほうがいいに決まっています」カティアの叫びは,ただただ空しく響くばかりだ。  過去に国家保安局と関わり,その恐怖を身をもって知るテオドールは,戦いの日々の中,カティアが抱えるある秘密を知ってしまう。それは国家保安局に知られたが最後,彼女が処刑されることはもちろん,テオドール自身の命をも危うくする極めて重大なものだった。巻き添えを食って死ぬくらいなら,いっそこの手で自らの保身と,部隊の一員を手にかける罪悪感との間で葛藤するテオドール。そしてそんな彼の葛藤に関係なく,絶え間なくやってくるBETAの脅威……,DQ10 RMT。  丁寧にディテールを積み重ねながら描かれる第1巻は,テオドールのある決意と,物語が大きく動き出す予兆を感じさせたところで幕を閉じる。刻一刻とドイツ崩壊の足音が迫る中,果たして絶望の中に希望は生まれるのか。今後の展開から目が離せない。  なお,前述のとおり本作は単体でも楽しめる内容になっているが,原作はまた違ったテイストの名作。下記のコラムで原作について簡単に解説しているので,興味を持った人はぜひそちらにも手を伸ばしてみてほしい。 ■ますます広がりを見せる,マブラヴの世界 『マブラヴ オルタネイティヴ トータル?イクリプス 1 朧月の衛士』(著者:吉宗鋼紀,イラスト:唯々月たすく/ファミ通文庫)  「マブラヴ」は2003年にアージュから発売されたPC用ノベルゲーム。初プレイ時は王道的な学園恋愛アドベンチャー(エクストラ編)として話が進むが,ある条件をクリアすると,キャラクターなどはほぼそのままに,BETAに人類の生存が脅かされている世界で物語が展開する“アンリミテッド編”がプレイできるようになる
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